友人が、
「人生を振り返って、私がピンチの時は要所要所で人がいた。」
と言っていた。
つまり、精神的に病める場面では、その都度恋人と出逢ってきたという。
私は二十数年余り、恋人という存在にはほぼ無縁と言ってもいいような人生を送ってきたので、友人のことを羨ましく思った。
病める場面で常に人がいるなんて、どれほど幸せな奴なんだと。
じゃあ、私は何に助けられてここまで生きているのか、考えるまでもなく瞬時に答えが出た。
音楽だ。
私は胎児の頃からクラシックを聞かされ、
生まれたらピアノを習い、
ブラスバンドに入り、
母親のジャズライブに同行し、
音楽フェスやライブには一人でも平気で参加するようになり、
通勤にはイヤホンが欠かせなくなった。
音楽で傷ついたこともあるけど、
それ以上に救ってくれたのも
音楽だった。
それだけ、
音楽と孤独の相性はいいってことだ。