眠れない夜は永い

もうこれで最後だと思った瞬間を綴っていきます

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

怠惰

特筆することはない。 果てしない孤独を感じるだけだ。

不眠症 第五話

胸ぐらを掴まれたような感覚に陥ることは日常的だった。 その後は大抵殴られるから、 相手が胸ぐらを掴んだ時点でそれは覚悟できている。 概ね他者には期待しないが、 さっきまで微笑んでいた隣人が突如牙を剥くことは、まあよくあることだと踏んでいた。 だ…

不眠症 第四話

わたしは仕事をしていた頃を思い出していた。 高校生を扱う仕事だった。 いわゆる進学塾である。 ある生徒に、短期記憶を失う症状が出た。 中学時代いじめに遭ったことが原因で患ったPTSDが原因だった。 その生徒は塾を辞めなければならなくなった。 上司は…

不眠症 第三話

いつまでこんな生活を続けるのか。 貯金が尽きれば自ら命を絶とうと思う。 祖母がいた空き家で。 首を吊って死のうと思う。 待てど暮らせど自分は生きてる心地がしない。 生きてる心地とは何かもわからない。 首を吊ることは痛みを伴うか。 悲しみと痛みどち…

不眠症 第二話

わたしはわたしでいられなくなった。 わたしがわたしでいることによって、世界に害悪をもたらしているように感じた。 なにより、わたしがわたし自身を苦しめていた。 だから、わたしがわたしでいてはいけない気がしていた。 俗に言う希死念慮の類である。 他…

不眠症 第一話

2、3年前から不眠に悩まされていた。 今の塾の仕事に転職したと同時に一人暮らしを始めた。 そのタイミングから、悪夢を見るようになった。 夜中に飛び起きた時、スマホから放たれる無機質な数字は2時や3時を示していた。 やがて3ヶ月ほどすると、悪夢を見る…

葬式でかける曲

人志松本の酒のつまみになる話で、空気階段の水川かたまりが自分の葬式で何をかけてほしいか、というのを話題に上げていた。 各々が思い入れのある曲を挙げていたが、自分がいない場所で自分が流す曲を選ぶっていうのはどこか違和感を感じた。 死んだのは自…

ヤクルト10000

今までどうやって生きてきたか忘れてしまった。 死ぬまでの暇つぶしにしては長すぎる。 今後ひとりで生きていくには長すぎる。 そう、とっくに心は死んでいたのだった。 終わりの見えない日々をしがんで ただただ息をしているだけ。 トイレットペーパーがな…