最近、空中を蹴るのにハマっている。
フォームはカッコ悪いと思うが、
思いの丈を込めて、
空中を蹴ると、
何の罪もないものを、
傷つけた背徳感と、
思いっきり蹴ったわりに、
世の中は1ミリたりとも変わっていない、
無力感が、
拮抗し、
私の毎晩の虚無に幅をもたらしてくれるのだ。
それは、ある種の勝利。
虚無を、それ以上の虚無に替えて、
他を傷つけたつもりで、
だが、何も変わっていないことに、
ただ、快感を覚えるのであった。
たいていは、
自分の嫌いな女コレクションから、
一人選抜し、
そいつを想像しながら、
蹴りを纏う。