歯の矯正したことある人はお分かりか?
矯正器具を嵌めた直後は、歯たちが「正しい」位置に移動しようと頑張るから、その分歯の神経が痛む。
食事を取るたび、咀嚼するたび、それは痛む。この苦痛はなかなか精神をも病ますものなのである。
何かが変わる瞬間って必然的に「痛み」を伴うものかもしれない、と思う。我々が変わるために享受しなければならない「痛み」というのが人生においても、ある。
最近ハマってるYouTuberがいて、現役大学生のパーカーさんって言う方である。
今日見ていた動画の中で、「僕は節目節目で人格が変わってきた」って言ってたのが印象に残った。
今まで小中高大と学生時代を過ごしてきたパーカーさんは、進学するたびに性格がいわゆる「陽」になったり「陰」になったりしてきたらしい。
コメント欄でも「環境によって人格が変わるのはあるあるですよ」と書いてる人がいて、それもそうだったか、と自分の過去を振り返ってみる。
確かに、自分を取り巻く環境が変化するに従って自分の性格も変貌を遂げてきたものだ。
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●誕生〜幼稚園
ディズニーが大好きで、親にディズニーランドに連れて行ってもらった時は大はしゃぎしてたらしい。特にプリンセスがお気に入りで、ピンクやキラキラしたもので自分を着飾るお姫様ごっこに惚けてたらしい。好きなものを好きな時に好きなだけ食べるような、わがままな生活を謳歌していた。
●小学生
弟が生まれた。8歳離れているから、母が仕事の時は代わって面倒を見ていた。「お姉ちゃんでしょ」といろいろ我慢する場面も増えて、忍耐力がついた。友達を笑わせたり楽しませたりするのが好きになった。幼稚園の頃とは打って変わりズボン着用率が増えた。
●中学生
吹奏楽部に入り2年間はそれなりに楽しくやっていたものの、ある時部内でトラブルを起こし退部。辞めるまでに追い込まれた被害者意識とプライドから勉強で見返すことを決意。
●高校生
猛勉強の末、県内一番の進学校へ入学。が、いざ入ってみると自分より才能に溢れた人たちに囲まれ、初っ端からプライドがへし折れられる。他人にもともと期待を持たれないように、自分を押し殺す日々。鬱屈した気持ちを音楽と読書で晴らす。
●大学生
そんな自分を変えようと、陽キャの集まるサークルに入会。それなりに楽しくやって引退した。しかし、就活という壁に打ち当たり、大人への嫌悪の念からロックにハマる。私服がバンドtシャツ 。
●社会人1〜2年目
新卒で入ったぬるま湯温泉みたいな会社に自分がいる意味が見出せず、上司への嫌悪感から、ロックバンドへの熱がヒートアップし一人でライブハウスへ通い詰める。あることがきっかけで、教育業界への転職を決意。
●社会人3年目
入社間も無く学習塾の教室長に就任。転職先が私の熱意を買ってくれたのはいいが、蓋を開けるといわゆるブラック企業。
生徒70人とバイト15人を1人でまとめないといけない境地に立たされ、表面的にテンションを上げ続けた。勤務環境はめちゃくちゃだったが、仕事自体は楽しくやれていた。生徒が好きだった。
しかし、ある事件を機に親から会社を辞めてくれと嘆願され、やや後ろ髪引かれるも退職。
●社会人4年目
まさか転職を2回するとは思いもよらず、上手くいかなかったらしばらくニートでいようと思っていたが、タイミングよく私を拾ってくれる大手企業があり入社。
以前と同じ教育業界であったが、上司と方向性が異なり、出る杭がへし折られる。勤務環境に関しては断然良くなったものの、自分の信念通りに仕事ができない環境がもどかしい。
しかし、最近はそんな窮屈な環境でも自分ができることはあるはずだと思い込ませて出勤を重ねる日々。
以前まではロックバンドを聴きあさり、自分を攻撃しようとする全てのものを跳ね除け、自分の味方でいてくれるものだけを匿っていた。
しかし一転、今はエモーショナル系インストルメンタルに浸り、自らの内面から湧き出てくる感傷に浄化作用を見出している。
1人でいる時間が生活の9割を占めている。
誰も敵に回さない。同時に味方もいない。
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(社会人のフェーズでいきなり細分化されたが)
やはり、それぞれのステージで自分の人格とか趣味とか好みって変わってきていて、それは環境に応じて自分を意図的に変化させてきたように思う。
順応というべきか。
順応の瞬間。
それは、環境の変化という矯正器具を装着した瞬間である。
今という時間を咀嚼するのに必ず「痛み」が生じた。
それまでぬくぬく過ごしてきた自分自体を変えるのだから、大きな「痛み」を伴うのだ。
「変わりたくない」思いと「変わらなければならない」思いが拮抗するその瞬間。
不安。裏切り。絶望感。
それは、いつも私の精神を苦しめてきたのだった。
もしも私と同じように、「痛み」を感じる人がいるのならば、
その「痛み」は和らげなくていい。
我慢しなくてもいい。
「痛み」を単なる「痛み」として受け止めてみれば、少しは楽になるんじゃないかと思うのだ。
こんな、絶望的な世の中に、せっかく生き残ってんだから、
変わっていくことを、噛み締めて生きていこうな!