報いとか、慣習とか、
そういう縛られたものに囚われない人間関係を、
かの森鷗外は「因襲の外の関係」と呼んだ。
不倫をした男女って、まさに、
その関係なんじゃないかと思う。
結婚が、経済とか、体裁とか、家系とか、介護とか、相続とか、
そういう、人間の純感情ではないものに囚われたものと、
考えると、
不倫はその対極にいるだろう。
人間の欲望のみによって、突き動かされる、
極めて野性的で、
極めて純潔な、
ものであると私は思うのだ。
不倫を肯定しているのではない。
汚らわしいものではなく、
歴とした人間による、
なんの濁りもない関係だと言いたい。
不倫を題材にした、小説や映画の需要と供給が絶えないのも、それ故だ。
人間は不倫をそれと認めた方がいいのではないだろうか。
不倫ではなく、
結婚こそが、
縛られた、人間としてぎこちない関係だと、
いい加減認めたらどうか?
そうすれば、
結婚は幸せで、
結婚してない人は、不幸で、負け組で、
なんて、
ほざける輩も、やがて、
滅びるだろ。