小学生からの友人が、2年半付き合った彼氏に振られたらしい。
友人にとっては、結婚もしたいほど、大好きな相手だったらしいから相当なダメージを食らったようで、発熱し寝込んだらしい。
恋をする人を、私は好きではない。
その人がその人ではなくなってしまうからだ。
稚拙めいた考えだろうか。
私は、その友人が大好きだが、
恋をしてしまった瞬間、友人が遠のいてしまった気がした。
友人が恋人色に染まっていて、
まるで自分自身を失っていて。
じゃあ、私が好きだったのは友人の何だったんだろう。
そう考え出したら今度は、私自身の所在が分からなくなったのだった。
恋をした人は嫌い。醜いと思う。
生の所在が曖昧になるからだ。
しかし、ここで生まれる矛盾に私は苦しめられる。
恋する人を嫌う私自身こそが、
自分の所在を失っているのだ。
ということは、
私も恋する人に恋する愚人の一人なのであった。