最果タヒさんの
20.何もしたくないわけではないし、できないわけでもないが、しない日。
生きるのがだるいのは、
本当にそうだ。
「明日を生きられない人もいるのよ」
って言われても、
私だってそうだ。
明日を生きられないかもしれない。
とにかく、今生きてることがだるい。
面倒だ。
映画とか小説とかの主人公はいいよな、
悩む「タネ」があって。
病名があって、処方薬があって。
私のは、得体の知れない倦怠感が、
ずーっと、胸底に堆積していて、
入口が狭いから、
誰も手を伸ばして、
それらを取り除くことができない。
むろん自分でもそう。
眠ることも面倒で、
なぜなら夢を見るから。
果たして、私が夢と思ってる夢が、
現実なのだろうか、
と猜疑心を煽るように、
毎晩夢を生きている。
こんな生活が続くのなら、
寝なくても良い体に生んでほしかった。
私のこの生活に、
誰か名前を、薬を、物語を。